糖尿病や癌、心臓病などにも歯周病は大きく影響します。

歯周病と全身疾患との関係

歯周病は口腔内だけの問題ではなく、全身疾患と深く結び付いていることも近年の研究でわかってきました。
特に、糖尿病との関係は密接で、私たち歯科医師の間では、常識と言えます。歯周病が悪化することで、糖尿病がも悪化し、逆に歯周病が改善すると血糖値も正常になり傾向があります。
他にも、咽頭癌や喉頭癌、食道癌や胃癌などの危険因子になりうるという研究も報告させています。また、イギリスの研究では、歯周病に感染していたり、過去に感染していた人では、14%も発癌リスクが高くなるという報告もありますので、癌とも密接な関係があります。
心筋梗塞などの心臓病とも関係性があり、アメリカの歯周病学会などの研究では、心臓病のリスクも4.5倍と報告されておます。そして、脳梗塞にもなりやすいというデータまであります。
歯周病が全身の健康に及ぼす影響は、皆さんが想像している以上に大きなものなのです。

生活習慣病との関係

歯周病も生活習慣病のひとつです。そして、歯周病を予防することで、他の生活習慣病の予防にも繋がります。これは、肝炎と歯周病との関係性を調べた研究よりわかってきました。
近年増加している生活習慣病のひとつに、過剰なアルコールの摂取がないにも関わらず肝臓に脂肪の蓄積が見られる、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)があります。その患者さんに対して、歯周病の治療を行った結果、わずか3ヶ月後には肝機能の検査数値が正常に戻ったというデータが横浜市立大学などの研究により発表されました。